エレミヤ書3-5 ; Ⅰテモテ4

エレミヤ書

第3章

3:1もし人がその妻を離婚し、
女が彼のもとを去って、他人の妻となるなら、
その人はふたたび彼女に帰るであろうか。
その地は大いに汚れないであろうか。
あなたは多くの恋人と姦淫を行った。
しかもわたしに帰ろうというのか」と主は言われる。
3:2「目をあげてもろもろの裸の山を見よ、
姦淫を行わなかった所がどこにあるか。
荒野にいるアラビヤびとがするように、
あなたは道のかたわらに座して恋人を待った。
あなたは姦淫の悪事をもって、この地を汚した。
3:3それゆえ雨はとどめられ、春の雨は降らなかった。
しかもあなたには遊女の額があり、
少しも恥じようとはしない。
3:4今あなたは、わたしを呼んで言ったではないか、
『わが父よ、あなたはわたしの若い時の友です。
3:5永久に怒られるのですか、
終りまで憤られるのですか』と。
見よ、あなたはこう言ったけれども、
なしうるかぎりのもろもろの悪を行った」。
3:6ヨシヤ王の時、主はまたわたしに言われた、「あなたは、かの背信のイスラエルがしたことを見たか。彼女はすべての高い丘にのぼり、すべての青木の下に行って、そこで姦淫を行った。3:7わたしは、彼女がこのすべてを行った後、わたしの所に帰るであろうと思ったが、帰ってこなかった。その不信の姉妹ユダはこれを見た。3:8わたしが背信のイスラエルを、そのすべての姦淫のゆえに、離縁状を与えて出したのをユダは見た。しかもその不信の姉妹ユダは恐れず、自分も行って姦淫を行った。3:9彼女にとって姦淫は軽いことであったので、石と木とに姦淫を行って、この地を汚した。3:10このすべての事があっても、なおその不信の姉妹ユダは真心をもってわたしに帰らない、ただ偽っているだけだ」と主は言われる。
3:11主はまたわたしに言われた、「背信のイスラエルは不信のユダよりも自分の罪の少ないことを示した。3:12あなたは行って北にむかい、この言葉をのべて言うがよい、
『主は言われる、背信のイスラエルよ、帰れ。
わたしは怒りの顔をあなたがたに向けない、
わたしはいつくしみ深い者である。
いつまでも怒ることはしないと、主は言われる。
3:13ただあなたは自分の罪を認め、
あなたの神、主にそむいて
すべての青木の下で異なる神々に
あなたの愛を惜しまず与えたこと、
わたしの声に聞き従わなかったことを
言いあらわせと、主は言われる。
3:14主は言われる、背信の子らよ、帰れ。
わたしはあなたがたの夫だからである。
町からひとり、氏族からふたりを取って、
あなたがたをシオンへ連れて行こう。
3:15わたしは自分の心にかなう牧者たちをあなたがたに与える。彼らは知識と悟りとをもってあなたがたを養う。3:16主は言われる、あなたがたが地に増して多くなるとき、その日には、人々はかさねて「主の契約の箱」と言わず、これを思い出さず、これを覚えず、これを尋ねず、これを作らない。3:17そのときエルサレムは主のみ位ととなえられ、万国の民はここに集まる。すなわち主の名のもとにエルサレムに集まり、かさねて、かたくなに自分の悪い心に従うことはしない。3:18その日には、ユダの家はイスラエルの家と一緒になり、北の地から出て、わたしがあなたがたの先祖たちに嗣業として与えた地に共に来る。
3:19どのようにして、
あなたをわたしの子どもたちのうちに置き、
万国のうちで最も美しい嗣業である良い地を
あなたに与えようかと、わたしは思っていた。
わたしはまた、あなたがわたしを「わが父」と呼び、
わたしに従って離れることはないと思っていた。
3:20イスラエルの家よ、
背信の妻が夫のもとを去るように、
たしかに、あなたがたはわたしにそむいた』と
主は言われる」。
3:21裸の山の上に声が聞える、
イスラエルの民が悲しみ祈るのである。
彼らが曲った道に歩み、その神、主を忘れたからだ。
3:22「背信の子どもたちよ、帰れ。
わたしはあなたがたの背信をいやす」。
「見よ、われわれはあなたのもとに帰ります。
あなたはわれわれの神、主であらせられます。
3:23まことに、もろもろの丘は迷いであり、
山の上の騒ぎも同じです。
まことに、イスラエルの救は
われわれの神、主にあるのです。
3:24しかし、われわれの幼少の時から、恥ずべきことが、われわれの先祖のほねおって得たもの、すなわちその羊、その牛、およびそのむすこ、娘たちをことごとくのみ尽しました。3:25われわれは恥の中に伏し、はずかしめにおおわれています。それはわれわれと先祖とが、われわれの幼少の時から今日まで、われわれの神、主に罪を犯し、われわれの神、主の声に従わなかったからです」。

第4章

4:1主は言われる、「イスラエルよ、
もし、あなたが帰るならば、
わたしのもとに帰らなければならない。
もし、あなたが憎むべき者を
わたしの前から取り除いて、ためらうことなく、
4:2また真実と正義と正直とをもって、
『主は生きておられる』と誓うならば、
万国の民は彼によって祝福を受け、
彼によって誇る」。
4:3主はユダの人々とエルサレムに住む人々に
こう言われる、
「あなたがたの新田を耕せ、
いばらの中に種をまくな。
4:4ユダの人々とエルサレムに住む人々よ、
あなたがたは自ら割礼を行って、
主に属するものとなり、
自分の心の前の皮を取り去れ。
さもないと、あなたがたの悪しき行いのために
わたしの怒りが火のように発して燃え、
これを消す者はない」。
4:5ユダに告げ、エルサレムに示して言え、
「国中にラッパを吹き、大声に呼ばわって言え、
『集まれ、われわれは堅固な町々へ行こう』と。
4:6シオンの方を示す旗を立てよ。
避難せよ、とどまってはならない、
わたしが北から災と
大いなる破滅をこさせるからだ。
4:7ししはその森から出てのぼり、
国々を滅ぼす者は進んできた。
彼はあなたの国を荒そうとして、
すでにその所から出てきた。
あなたの町々は滅ぼされて、
住む者もなくなる。
4:8このために、あなたがたは荒布を身にまとって、
悲しみ嘆け。
主の激しい怒りが、
まだわれわれを離れないからだ」。
4:9主は言われる、「その日、王と君たちとはその心を失い、祭司は驚き、預言者は怪しむ」。4:10そこでわたしは言った、「ああ主なる神よ、まことにあなたはこの民とエルサレムとをまったく欺かれました。『あなたがたは安らかになる』と言われましたが、つるぎが命にまでも及びました」。
4:11その時この民とエルサレムとはこう告げられる、「熱い風が荒野の裸の山からわたしの民の娘のほうに吹いてくる。これはあおぎ分けるためではなく、清めるためでもない。4:12これよりもなお激しい風がわたしのために吹く。いまわたしは彼らにさばきを告げる」。
4:13見よ、彼は雲のように上ってくる。
その戦車はつむじ風のよう、
その馬はわしの飛ぶよりも速い。
ああ、われわれはわざわいだ、
われわれは滅ぼされる。
4:14エルサレムよ、あなたの心の悪を洗い清めよ、
そうするならば救われる。
悪しき思いはいつまで
あなたのうちにとどまるのか。
4:15ダンから告げる声がある、
エフライムの山から災を知らせている。
4:16国々の民に彼の来ることを告げ、
またエルサレムに知らせよ。
「攻めかこむ者が遠くの国から来て、
ユダの町々にむかってその声をあげる。
4:17彼らは畑を守る者のようにこれを攻めかこむ。
それはわたしにそむいたからだと、主は言われる。
4:18あなたの道とその行いとが、
あなたの身にこれを招いたのだ。
これはあなたの悪の結果で、まことに苦く、
あなたの心をつらぬく」。
4:19ああ、わがはらわたよ、わがはらわたよ、
わたしは苦しみにもだえる。
ああ、わが心臓の壁よ、
わたしの心臓は、はげしく鼓動する。
わたしは沈黙を守ることができない、
ラッパの声と、戦いの叫びを聞くからである。
4:20破壊に次ぐに破壊があり、
全地は荒され、
わたしの天幕はにわかに破られ、
わたしの幕はたちまち破られた。
4:21いつまでわたしは旗を見、
またラッパの声を聞かなければならないのか。
4:22「わたしの民は愚かであって、わたしを知らない。
彼らは愚鈍な子どもらで、悟ることがない。
彼らは悪を行うのにさといけれども、
善を行うことを知らない」。
4:23わたしは地を見たが、
それは形がなく、またむなしかった。
天をあおいだが、そこには光がなかった。
4:24わたしは山を見たが、みな震え、
もろもろの丘は動いていた。
4:25わたしは見たが、人はひとりもおらず、
空の鳥はみな飛び去っていた。
4:26わたしは見たが、豊かな地は荒れ地となり、
そのすべての町は、主の前に、
その激しい怒りの前に、破壊されていた。
4:27それは主がこう言われたからだ、「全地は荒れ地となる。しかしわたしはことごとくはこれを滅ぼさない。
4:28このために地は悲しみ、上なる天は暗くなる。
わたしがすでにこれを言い、これを定めたからだ。
わたしは悔いない、またそれをする事をやめない」。
4:29どの町の人も、騎兵と射手の叫びのために
逃げて森に入り、岩に上る。
町はみな捨てられ、そこに住む人はない。
4:30ああ、荒された女よ、あなたが紅の着物をき、
金の飾りで身をよそおい、
目を塗って大きくするのは、なんのためか。
あなたが美しくしても、むだである。
あなたの恋人らはあなたを卑しめ、
あなたの命を求めている。
4:31わたしは子を産む女のような声、
ういごを産む女の苦しむような声を聞いた。
シオンの娘のあえぐ叫びである。
両手を伸べて彼女は言う、「わたしはわざわいだ、
わたしを殺す者らの前にわたしは気が遠くなる」と。

第5章

5:1エルサレムのちまたを行きめぐり、
見て、知るがよい。
その広場を尋ねて、公平を行い、
真実を求める者が、ひとりでもあるか捜してみよ。
あれば、わたしはエルサレムをゆるす。
5:2彼らは、「主は生きておられる」と言うけれども、
実は、偽って誓うのだ。
5:3主よ、あなたの目は、
真実を顧みられるではありませんか。
あなたが彼らを打たれても、痛みを覚えず、
彼らを滅ぼされても、懲しめを受けることを拒み、
その顔を岩よりも堅くして、
悔い改めることを拒みました。
5:4それで、わたしは言った、
「これらはただ貧しい愚かな人々で、
主の道と、神のおきてを知りません。
5:5わたしは偉い人たちの所へ行って、彼らに語ります。
彼らは主の道を知り、神のおきてを知っています」。
ところが、彼らも皆おなじように、くびきを折り、
なわめを断っていた。
5:6それゆえ林から、ししが出てきて彼らを殺し、
荒野から、おおかみが出てきて彼らを滅ぼす。
ひょうは彼らの町々をねらっている。
そこから出る者はみな裂かれる。
彼らの罪が多く、
その背信がはなはだしいからである。
5:7「わたしはどうしてあなたを、
ゆるすことができようか。
あなたの子どもらは、わたしを捨てさり、
神でもないものをさして誓った。
わたしが彼らを満ち足らせた時、
彼らは姦淫を行い、遊女の家に群れ集まった。
5:8彼らは肥え太った丈夫な雄馬のように、
おのおの、いなないて隣の妻を慕う。
5:9わたしはこれらの事のために
彼らを罰しないでいられようか。
このような国民にあだを返さないであろうか」と
主は言われる。
5:10「あなたがたはユダのぶどうの並み木の間を、
のぼって行って、滅ぼせ、
ただ、ことごとく滅ぼしてはならない。
その枝を切り除け、
主のものではないからである。
5:11イスラエルの家とユダの家とは
わたしにまったく不信であった」と主は言われる。
5:12「彼らは主について偽り語って言った、
『主は何事もなされない、
災はわれわれに来ない、
またつるぎや、ききんを見ることはない。
5:13預言者らは風となり、彼らのうちに言葉はない。
彼らはこのようになる』と」。
5:14それゆえ万軍の神、主はこう言われる、
「彼らがこの言葉を語ったので、
見よ、わたしはあなたの口にある
わたしの言葉を火とし、この民をたきぎとする。
火は彼らを焼き尽す」。
5:15主は言われる、「イスラエルの家よ、
見よ、わたしは遠い国の民を
あなたがたのところに攻めこさせる。
その国は長く続く国、古い国で、
あなたがたはその国の言葉を知らず、
人々の語るのを悟ることもできない。
5:16その箙は開いた墓のようであり、
彼らはみな勇士である。
5:17彼らはあなたが刈り入れた物と、
あなたの糧食とを食い尽し、
あなたのむすこ娘を食い尽し、
あなたの羊と牛を食い尽し、
あなたのぶどうの木といちじくの木を食い尽し、
またつるぎをもって、あなたが頼みとする
堅固な町々を滅ぼす」。
5:18主は言われる、「しかしその時でも、わたしはことごとくはあなたを滅ぼさない。5:19あなたの民が、『どうしてわれわれの神、主はこれらのすべての事をわれわれになされたのか』と言うならば、あなたは彼らに答えなければならない、『あなたがたがわたしを捨てて、自分の地で異なる神々に仕えたように、あなたがたは自分のものでない地で異邦の人に仕えるようになる』と」。
5:20これをヤコブの家にのべ、
またユダに示して言え、
5:21「愚かで、悟りもなく、
目があっても見えず、
耳があっても聞えない民よ、これを聞け。
5:22主は言われる、あなたがたはわたしを恐れないのか、
わたしの前におののかないのか。
わたしは砂を置いて海の境とし、
これを永遠の限界として、
越えることができないようにした。
波はさかまいても、勝つことはできない、
鳴りわたっても、これを越えることはできない。
5:23ところが、この民には強情な、そむく心があり、
彼らはわき道にそれて、去ってしまった。
5:24彼らは『われわれに雨を与え、
秋の雨と春の雨を時にしたがって降らせ、
われわれのために刈入れの時を定められた
われわれの神、主を恐れよう』と
その心のうちに言わないのだ。
5:25あなたがたのとがは、これらの事をしりぞけ、
あなたがたの罪は、
良い物があなたがたに来るのをさまたげた。
5:26わが民のうちには悪い者があって、
鳥をとる人のように身をかがめてうかがい、
わなを置いて人を捕える。
5:27かごに鳥が満ちているように、
彼らの家は不義の宝で満ちている。
それゆえ、彼らは大いなる者、裕福な者となり、
5:28肥えて、つやがあり、
その悪しき行いには際限がない。
彼らは公正に、みなしごの訴えをさばいて、
それを助けようとはせず、
また貧しい人の訴えをさばかない。
5:29主は言われる、わたしはこのような事のために、
彼らを罰しないであろうか。
わたしはこのような民に、
あだを返さないであろうか」。
5:30驚くべきこと、恐るべきことがこの地に起っている。
5:31預言者は偽って預言し、
祭司は自分の手によって治め、
わが民はこのようにすることを愛している。
しかしあなたがたは
その終りにはどうするつもりか。


Ⅰテモテ

第4章

4:1しかし、御霊は明らかに告げて言う。後の時になると、ある人々は、惑わす霊と悪霊の教とに気をとられて、信仰から離れ去るであろう。4:2それは、良心に焼き印をおされている偽り者の偽善のしわざである。4:3これらの偽り者どもは、結婚を禁じたり、食物を断つことを命じたりする。しかし食物は、信仰があり真理を認める者が、感謝して受けるようにと、神の造られたものである。4:4神の造られたものは、みな良いものであって、感謝して受けるなら、何ひとつ捨てるべきものはない。4:5それらは、神の言と祈とによって、きよめられるからである。
4:6これらのことを兄弟たちに教えるなら、あなたは、信仰の言葉とあなたの従ってきた良い教の言葉とに養われて、キリスト・イエスのよい奉仕者になるであろう。4:7しかし、俗悪で愚にもつかない作り話は避けなさい。信心のために自分を訓練しなさい。4:8からだの訓練は少しは益するところがあるが、信心は、今のいのちと後の世のいのちとが約束されてあるので、万事に益となる。4:9これは確実で、そのまま受けいれるに足る言葉である。4:10わたしたちは、このために労し苦しんでいる。それは、すべての人の救主、特に信じる者たちの救主なる生ける神に、望みを置いてきたからである。
4:11これらの事を命じ、また教えなさい。4:12あなたは、年が若いために人に軽んじられてはならない。むしろ、言葉にも、行状にも、愛にも、信仰にも、純潔にも、信者の模範になりなさい。4:13わたしがそちらに行く時まで、聖書を朗読することと、勧めをすることと、教えることとに心を用いなさい。4:14長老の按手を受けた時、預言によってあなたに与えられて内に持っている恵みの賜物を、軽視してはならない。4:15すべての事にあなたの進歩があらわれるため、これらの事を実行し、それを励みなさい。4:16自分のことと教のこととに気をつけ、それらを常に努めなさい。そうすれば、あなたは、自分自身とあなたの教を聞く者たちとを、救うことになる。


Top